人々の環境意識が高まるにつれ、植物タンニンなめしのアッパーレザーの需要も以前より増えてきました。上の靴はその一例で、数年前にハンガリーのVassと行ったシューゲイザーブーツSarekにスウェーデンのタンナーTärnsjöの植物鞣しのグレインレザーを使用したものです。

 

他のベジタンレザーと同様に、良いクロムなめし革よりも、シワやパテナの付き方など、少し「力強い」エイジングをしますが、それを好むかどうかは、好みの問題です。さて、前にも書きましたが、より上質な靴に使われるクロムなめし革は、ほぼ例外なく、非常に高い環境要求と廃棄物を出さない閉鎖システムを持つヨーロッパのなめし工場で生産されているので、靴を捨てる日に環境負荷ゴミとして分別すれば(なめしに使う3価クロムは焼くとより危険な6価クロムになるので)クロムが自然に出てくることはないことを認識しておいて下さいね。とはいえ、なめし革工場が植物タンニンなめしの代替品を開発し続けていることは素晴らしいことです(歴史を200年以上遡ると、それ以前はすべての革が植物タンニンなめしでした)。少なくとも、より悪いクロムなめし革工場の皮に代わる素晴らしいものであり、なめし業界をサステナビリティに配慮した業務改善へと押し上げ続けているのです。